森川 海舟さん
(拓殖大学 レスリング部)
2000年生まれ。
2019年3月に東京・自由ヶ丘学園高等学校(レスリング部所属)を卒業。4月から拓殖大学に進学。
小学6年生時に全国少年少女選手権7連覇を達成。また、年度最優秀選手賞を受賞。
その後、全国中学生選手権を2連覇。また、全国中学生選抜レスリング大会男子を史上初の3連覇。
2018年、高校3冠王となり年度最優秀選手賞2度目の受賞。国体では少年の部で史上9人目の3連覇を達成。
2020年東京オリンピック出場が期待される、レスリング界の期待の星。
簡単に行える検査なのに、自分自身の色々な事が分かりとても驚いています。
レスリングの競技に大切な瞬発力が有るという事や、筋肉が付きにくい体質かと思ったら筋肉は大きくなり得るという結果で、これからのトレーニングによって大きく変わる可能性も分かりました。また、試合などでのモチベーションのアップダウンが遺伝子からとは驚きました。
体質に応じた必要な栄養素もアドバイスいただけるので日頃から意識するようになりました。自分自身の体をよく理解してレスリングに活かしていきたいと思います。
ありがとうございました。
(セルズケア株式会社 ※以下ーー)レスリング界の期待の星、森川 海舟さんに遺伝子検査を受けていただきとても嬉しく思います!
スポーツ遺伝学等の視点から、いくつかアドバイスさせていただきます。
ちょっと緊張しますね!よろしくお願いします。
ーー 海舟さんのスポーツ遺伝子検査の結果をご説明いたします。
筋繊維は速筋タイプ、かつ血管が収縮しやすいタイプでした。レスリングで言えば相手と組んで瞬時に強く引き寄せたり、押さえつけたりする動作が得意です。遺伝的には瞬発力が強い体質と言えます。
なるほど、それは今の海舟の競技スタイルに合っていると思います。
ーー また筋肥大しやすい体質です。リハビリも進みやすいと思われます。
それを聞いて驚きました。ただ、最近は筋肉の成長が見られるようになって、海舟もそれを実感しているようです。
主人は筋トレすると体が大きくなりやすいようですので、遺伝子が影響しているのでしょうね。
ーー その他、アスリートにとって重要な骨の形成や筋肉の修復・免疫力強化に関わるビタミンDの吸収がしにくい体質でした。この場合、例えばビタミンDが豊富に含まれるきのこ類、魚等を意識されるといいかと思われます。
アスリートなので、食卓での主菜はお肉がメインですが、魚介類も追加して一品出してあげる様にしています。また、きのこを使った料理はとても多いですね。
ーー 自然とご家庭で対策が取れていて素晴らしいですね。
私はあまり寝つきがあまり良くない点が気になっています。どの様に対策すればいいでしょうか?
ーー 光の感受性が高い体質でした。夜でも光を浴びると覚醒しやすく、寝る前のテレビやスマホを控える等の対策が効果的だと思われます。
なるほどですね。
ーー また、疲労・ストレスの回復が少ししにくい体質でした。その辺りはいかがですか?
中学生の時は、疲れが溜まった場合、特に試合の翌日等は休ませてあげる様に気をつけていました。
今は部活練習の疲労がたまらないようにほぼ毎日、私が足や背中をほぐしています。特に、背骨の筋肉(※脊柱起立筋)をほぐしてあげると楽になるようです。 自律神経を整えてあげる事が大事ですからね。
・・・本当は私がやってほしい位なんですけどね(笑)
ーー (笑)
※脊柱起立筋について
ーー その他、モチベーションが上がりにくい体質でした。
確かに、小さい頃は試合の合間に友達と遊びに行ってしまい、結果として失敗する事がよくありました。
それからは、試合が終わるまでは遊ばず集中する、という約束をする様にしてみました。 そうすると、試合でいい結果が出る様になり、海舟本人も言われなくとも自然とそういう行動を取れるようになったようです。
ーー お母様が海舟さんを良く観察し、そういう工夫を行った事で自然とモチベーションをあげる事につながったのかもしれませんね。
今は東京オリンピックという大きな目標がありますが、それに至るまでの小さな目標設定の積み重ねをしてあげています。 そうする事で、海舟自身に「優勝したい」という意思を持たせてあげる事が大切ですね。
それが成功した時は、大抵良い結果が出ている様に思えます。
ーー 体脂肪4%はすごいですね!色々なアスリートの方にお会いしましたが、ここまで絞り込んでいる選手は滅多にいませんでした。
レスリングは時に減量が必要です。
食事面でいうと、私自身脂っこい食事が好きではなく昔から揚げ物は食卓に出していませんでした。そのせいか、本人も特に鶏肉や赤身の肉を好んで食べる様になりましたね。
お肉・魚介類・大豆等、たんぱく質が多く含まれる食事を意識して出しています。
ーー なるほど。たんぱく質が充分に摂れる、アスリート向きの食事ですね。
それから家庭で使う油についてはこだわっています。
摂る量もそうなのですが、油の質もですね。 揚げ物は基本的に作りませんし、サラダ油は使いません。主にエキストラバージンのオリーブオイルを使っています。
※油の質について
ーー その他、食事面で工夫されている事があればお伺いしてもよろしいですか?
鶏むね肉はアスリートの体にとても良い成分(イミダペプチド※)が含まれていると聞いて、良く用いています。
※イミダペプチドについて
鶏むね肉をお酒で柔らかくして、片栗粉をまぶしてあげると、ゆでる時間を間違えなければとても柔らかくておいしくなるんですよ。それを普段の間食として気軽に食べれるようにしてあげています。ゆでた後の胸肉の出汁でスープを作るととてもおいしいんですよ。
その他にも、美味しくて健康に良い素材やポン酢やしらすを取り寄せて食卓に出しています。
ーー 体に良い食事はアスリートの基本ですが、それが家庭内で自然と実践されていて素晴らしいですね。
また、素材の味を活かして味付けはシンプルにしています。食事の質はもちろんですが、一番重要なものは本人がおいしく食べられるものを作ってあげる、という事だと思っています。
そういう食生活を小さい頃送ってきたせいか、海舟本人も買い物をしている時に、食品の原材料表示でカロリーや栄養素をよく見てますね。自分が口にする食べ物の質に自然と意識が向いている様です。
ーー まだ高校生なのに意識が高いですね!森川さんが毎日作られている、健康的で美味しい食事が小さい頃から自然と海舟さんに対する食育となったのだと思います。
その他、ご家庭で行ってきた事がありましたら、お伺いしてもよろしいでしょうか。
私は我が子の「勝ちたい」という気持ちを受け、それには何が必要か一年を通じ考えてきました。体重の増量や減量の調整、栄養管理、披露回復、リフレッシュ・・・我が子だからここまでできたのだと思っています。
そんな思いはスポーツを頑張る子供を持つ、どの親御さんも同じ気持ちですね。
ーー なるほど。その様に愛情を込めて子育てをする事は子供の自己肯定感を持たせる事につながり、トップアスリート特有の強いメンタルを養います。そういった意味でとても興味深いお話です。
また、レスリングで強くなるのはもちろん良い事だとは思いますが、人間的なものも含めて成長する手助けをしてあげる事が大切だと思います。
ただ優しくするだけではなくて、間違った時は厳しくする様に接してきました。
ーー 今回、スポーツ遺伝子検査を受けていただいた感想をいただいてもよろしいでしょうか。
スポーツ遺伝子検査を受けて、小さい頃から良いと思ってやっていた事が海舟の遺伝子を考慮するとプラスに働いていることが多く分かり、ほっとすると同時に自信にも繋がりました。
また、知らなかった事が新たに分かり、これからこの競技をもっと突き進んで行くにあたってたくさん参考にしていきたい部分もありました。
アスリートには是非取り組んで欲しい検査だと思いました。
ーー その様に仰っていただいてありがとうございます!今回の検査が、今後の海舟さんと、海舟さんを支えるご家族の何かのお役に立てれば、と思います。この度は貴重なお話をいただきありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
トップアスリートのお母様ですので、食事や体のケアにある程度お詳しいとは思っていたのですが、その知識の豊富さに驚きました。
スポーツ遺伝子検査の結果、ご本人の競技スタイルに合った体質であった事ももちろんですが、海舟さんのたゆまぬ努力とそれを支えてきたお母様の家庭での細やかな気配りや食事等、ご家族の愛情がこもったサポートが結果として海舟さんの素晴らしい競技力に結び付いたのだと感じました。
2020年東京オリンピックで大活躍する海舟さんの姿を私達も楽しみにしています。
取材・編集:セルズケア株式会社 スポーツ遺伝カウンセリング事業部
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