弊社では、遺伝子検査時に詳細な問診票を取り、結果が出たら専門家が時間をかけて会話による入念なカウンセリングやアフターケアを行っています。
また、スポーツチーム等の団体にご導入いただく際は、監督やコーチに遺伝子検査の正しい解釈の仕方をお伝えしサポートを行っています。
利益や効率を考えると、書面による個別レポートを作成し、一方通行でお客様に情報をお伝えしてサービスを完結させてしまう事が望ましいのですが、その様な対応はせずあえて前述の方針をとっています。
今回は、なぜそのような方針としているのかについてお伝えいたします。
「認定遺伝カウンセラー」というものをご存知でしょうか。
医療では遺伝子検査がスポーツの現場より普及しており、例えば、以下の様に用いられています。
・赤ちゃんが生まれる前に先天的に病気がないか調べる(出生前診断)
・疾患の原因となる遺伝子変異があるか調べる(発症前診断、保因者診断)
この様に遺伝問題で悩む人は「自分の病気が子どもに遺伝するのか」「家系にガンや先天的な難治性疾患を抱える人がいるから自分も同じ病気になるのではないか」という不安を抱えたまま検査するかどうか決定しなければなりません。
その様な患者に対し、検査でわかる事や、もし病気があった場合にどのような治療やサポートがあるか等、正確で分かりやすい情報を提供するのが「認定遺伝カウンセラー」です。(日本人類遺伝学会と日本遺伝カウンセリング学会が認定)
本人の治療方針の意思決定や心理面をサポートし、最善の選択を一緒に考えます。
つまり、専門家のサポートがないまま遺伝子検査を行う事はただ患者の不安だけをかきたてる等、倫理的な問題が起こり得るという事です。
スポーツの遺伝子検査でも同じ事が当てはまります。
アスリートが遺伝子検査の結果だけを通知された時、自分が望んでいた結果ではない場合に大きなショックを受けてしまい、パフォーマンスが落ちてしまう事も考えられます。
また、例えばあなたのお子様が「速くてかっこいいから、競泳の50m自由形でオリンピックに出たい!」と思っているとします。
その後、検査結果で「瞬発力が低い」と出た場合に「向いていないから」という理由であきらめさせ、その子の将来を閉じてしまう事は果たして許されるのでしょうか。もちろん、親御様・コーチを含め良く話し合い、本人も十分に納得したうえであれば問題はないかと思います。
この様に、遺伝子検査は努力では変えられない「人の生まれ」を明らかにしてしまう性質上、常に倫理的な問題をはらんでいます。医療の遺伝子検査と同様、スポーツでもその問題を防ぐ事が大切だと考えています。
今後、スポーツの分野でも多くのアスリートが遺伝子検査を行う時代がやってきて、検査結果で得た不安・疑問をコーチや監督に投げかけてくるはずです。
その際に、医療の遺伝子検査と同様、アスリート・監督コーチの間に立つ存在があるべきだと考え、「スポーツ遺伝カウンセリング」と呼称し事業を行っています。
また、スポーツは遺伝子以外にもパフォーマンスに影響する要素が非常に多い事が特徴です。
検査結果をパフォーマンスに最大限に反映させる為には、遺伝子の最新知識に加えて競技の特性、アスレチックトレーニング、スポーツ医学、栄養学、メンタルサポート等の知見を持つ専門家による情報提供が望ましいのです。
まとめると、以下2点の理由から専門家がアスリートに対する丁寧なカウンセリングや監督コーチのサポートを行っています。
1.遺伝子検査で発生しうる倫理的な問題に対応するため
2.検査結果を正しく解釈してもらい、パフォーマンスに最大限反映させるため
遺伝子検査は本来、以下の3つで成り立つものと考えます。
1.高品質の検査
2.高品質の分析
3.高品質の個別カウンセリング
1と2については現時点でスポーツ分野では最も信頼性が高いものを採用しています。
具体的には、何万回と検査しても同じ結果が出る高精度検査機器を使用しています。また、日本のスポーツ遺伝学のトップの研究者が監修するレポートが出力されます。
カウンセラーが100人いれば、100通りのカウンセリングが存在します。
弊社では3のカウンセリングの質にもこだわり、常にスポーツの現場よりの目線で、アスリートが前向きにスポーツに取り組める遺伝子分析サービスを提供する事を目指しています。
「スポーツ遺伝カウンセラー」にはそういった思いを込めています。
セルズケア株式会社
スポーツ遺伝カウンセリング事業部
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